競売物件:3点セットの読み方ガイド

〜入札前に絶対チェックしたい3つの資料〜

競売物件の情報は、裁判所が公開する「3点セット」と呼ばれる資料にすべて詰まっています。
内容を理解できるかどうかで、良い競売物件と危険な物件を見分けられるかが変わります。


■ 3点セットとは?

3点セットとは次の3つの資料を指します。

① 物件明細書(権利関係のまとめ)
② 現況調査報告書(建物や占有状況の現地調査)
③ 評価書(不動産鑑定士などによる評価)

裁判所の書記官や執行官、不動産鑑定士が作成しており信頼性は高いですが、
調査時期が半年前〜1年前ということも多いため、最新状況は必ず自分で確認することが重要です。


■ チェックすべき3つのポイント

① 物件明細書:まずは「権利関係」

  • 買受人が引き継ぐ権利や賃借権、仮処分などが記載されています。
  • 特に「最先の賃借権」や「法定地上権」がある場合は要注意。
    自己使用ができなかったり、建物を撤去しなければならないケースもあります。

POINT:「安い=お得」とは限りません。
権利関係を読み解く力が、競売物件の成否を分けます。


② 現況調査報告書:建物・占有状況を確認

  • 執行官が現地調査した内容がまとめられています。
  • 間取り、占有者、滞納管理費、建物の状態などを確認。
  • 調査から時間が経っている場合があるため、実際の現地確認が必須です。

POINT:「今、誰が住んでいるのか」「退去できるのか」を把握することが重要です。


③ 評価書:価格の目安と法的リスク

  • 不動産鑑定士などが作成した競売用の評価額が記載されています。
  • 建ぺい率・容積率オーバー、再建築不可などの法的リスクが分かります。
  • 東京23区などでは評価額より高く落札されるケースが多め。

POINT:評価額は「目安」であり、実勢価格とは異なることを前提に。



■ 3点セット+現地調査が成功の鍵

3点セットは非常に重要な資料ですが、現地調査を怠ると失敗リスクが高まります。
臭い・音・日当たり・周辺環境など、数字に現れない要素は必ず現地で確認しましょう。

3点セットだけで物件の状態は判断できますか?

すべてが判断できるわけではありませんが、重要な判断材料は揃っています。

3点セットの熟読ポイント

※3点セット(物件明細書・現況調査報告書・評価書)には、権利関係、占有状況、建物や土地の概要、評価の考え方など、競売物件を判断するための基本情報がまとめられています。

ただし、室内の詳細な状態や劣化状況までは分からないため、
3点セットの内容に加えて
現地調査や周辺相場の確認を組み合わせて判断することが重要です。

3点セットの中で、特に注意して見るべきポイントはどこですか?

「物件明細書」と「現況調査報告書」は特に重要です。

3点セットの確認ポイント

※物件明細書:権利関係、占有の有無、引渡し条件など
※現状調査報告書:占有者の状況、使用状況、外観から分かる不具合は、トラブルや追加費用に直結しやすい情報が含まれています。

評価書の金額だけを見るのではなく、
なぜその評価になっているのかを読み取ることが大切です。

3点セットに書いていないリスクはありますか?

はい。記載されていないリスクが残るケースもあります。

3点セットは裁判所が作成する公式資料ですが調査範囲や調査時点には限界があります

※室内の詳細な劣化や設備不良
※残置物の量や撤去費用・その際の床状況など
※近隣トラブルや管理状況

などは、記載されていない場合もあります。そのため、3点セットは
「判断の出発点」と捉え想定外に備えた資金計画を立てることが重要です。


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